こんにちは。
今回は入学する際に悩むであろうノートパソコンの選び方について解説していきます。
実際の経験を踏まえてかなり踏み込んだ話になります。そのため文章多めです。
結論だけくれという方は4章あたりから読んでください。
Contents
1.読むにあたっての注意
パソコンの選び方はほかに持っている端末でそれなりに変化するのですが、ここではとりあえず大学で使う初めの一台という想定で書いてます。
重い3DゲームやAIなど性能を重視するものを扱う場合はデスクトップのほうが安く性能を上げることができるのでそっちもやりたい方はデスクトップとノートの2台持ちをお勧めします。
電子ノートをとる場合はノートパソコンよりiPad+GoodNoteのほうがやりやすいのでそちらをおすすめします。
またパソコンにしての知識は高校情報1程度のものを想定しています。
2.ノートパソコンに要求すること
まずはノートパソコンを選ぶにあったって想定される運用方法から必要な要件を定義します。
想定される運用
- 持ち出して文書、スライド作成
- 発表でプロジェクターに接続
- USBでデータの受け渡し
- 授業で使うソフトウェアの環境構築
以上の項目が大学の授業を受けるにあたってパソコンが必要な場面です。
よってここからノートパソコンに要求される仕様は
要求される仕様
- バッテリー駆動での作業時で4時間以上駆動すること
- 起動が早く、ブラウザ、word、PowerPointが快適に動作すること
- 持ち運びがしやすい大きさ、重さであること
- 入力しやすいキーボードを備えること
- 視認性の良いモニターを備えること
- HDMI、USB-A、USB-Cなどの入出力端子を標準で備えること
- 扱いやすいOSがインストールされていること
- 3-4年程度運用できること
であるといえます。
3.基本性能を考える
さきほど定義した要件と運用上の経験からある程度具体的に性能を絞ります。
バッテリー駆動で4時間以上駆動
これはバッテリーの容量だけでなくCPUやGPUの消費電力がかかわってきます。CPUは消費電力の目安とされる熱設計電力(TDP)が15W程度のモデルと35W程度のモデルがあるのですが後者は2時間程度しかバッテリーが持ちません。またGPUもバッテリーを喰うのでCPUに内蔵されているモデルにしましょう。
起動が早く、快適動作
これは複数の要素がかかわっています。それはCPUとメモリ、ストレージです。CPUはCore i5やRyzen5などミドルグレードの通常モデルがよいです。Core i7やRyzen7だと高価なのに手に余るし、逆にCerelonやPentiumだと性能不足になりやすいです。Atomは論外です。
またCPUには世代という概念があり世代が新しいほど性能が高くなります。ここ1-2年以内の世代が無難です。
メモリは軽視されがちですが少なくとも8GB、可能なら16GB搭載のモデルをお勧めします。Chromeなどのブラウザが特にメモリを使います。また容量の大きいメモリはストレージの長寿命化に貢献します。近年のノートパソコンはオンボードタイプ、つまりメモリを増設できないモデルが多いので買ってからでは後悔します。メモリのクロックは普通のもので十分です。
ストレージはSSDの500GB程度のものがよいです。接続規格はNvmeが高速です。しばらくデスクトップパソコンなどを買わずにノートパソコン1台で運用するなら1TBのモデルが安心できます。これもメモリと同様にオンボードタイプの場合は後から増設できないので注意です。
持ち運びがしやすい大きさ、重さ
まず大きさですがA4ファイルより一回り大きいくらいが一番扱いやすいです。インチ換算では12インチや13インチのノートパソコンが当てはまります。15インチになると大きすぎて持ち運びに向かないです。
次に重さですが1.5キロ未満を目安にしたほうがいいです。これを超えると持ち運びが困難になります。
入力しやすいキーボード
キーの大きさと配置に注意します。キーの大きさは先述した本体の大きさがかかわってきます。打ち安い大きさが多いのは13インチ以上です。
キーの配置はCtrlキーや半角/全角キーが外にあることや最右列にBackspaceキー、EnterキーではなくPgUpやPgDnキーが配置されていないかに気を付けましょう。
また電源ボタンがキーボード枠内の右上に配置されていると間違えて押してしまうので避けたほうがいいです。
視認性の良いモニター
少なくともFHD(1980×1280)の解像度は必須です。しかし逆に解像度が高いとソフトウェアのウィンドウの大きさが小さくなるので逆に見にくくなります。液晶のタイプはTN、IPS、有機ELがメインですが視野角が広いIPSがおすすめです。ただし詳細な仕様は選ぶ人の感性により選択が異なります。ポイントとしては輝度、光沢有り無し、バックライト有り無しの3点です。もし心配ならショールームなどで実物を確認したほうがいいかもしれません。
入出力端子
入出力端子としてUSB-Aは必須です。マウスやUSBメモリなど採用している製品が多いので2ポート程度あると安心です。
USB-CはUSB-Aより高価で細かな仕様違いも多いため採用している製品はまだ少ないですが、1ポート備えていると何かと有用です。またUSB-Cでノートパソコン本体に充電できるものは緊急時に役立ちます。
HDMIのフルサイズはプロジェクターに接続する際必須です。変換器を挟むと相性によって認識しない場合があります。
イーサネット端子は有線LANを使用する場合必要です。あると安定して通信できますがなくても問題にはなりません。
扱いやすいOS
パソコンのOSにはWindowsやMac、Linux系(Ubuntu,ChromeOS)がメインです。
たいていのOSは扱いやすく設計されていますが初めて自分専用のパソコンを運用するとなると想定していなかったトラブルに遭遇する可能性も高いです。その際に解決する情報が多いWindowsがお勧めです。一般向けパソコン用OSシェアは9割がWindowsであることからもその情報の多さに期待ができます。対比となるMacOSはMacでしか動作しないうえ、M1,M2系のMacはWindowsをBootcampで動作させることができない点も注意です。
また学業で使用するソフトウェアが動作しなければなりません。Word,Excel,Powerpointだけなら大体のOSでできます。
しかし工学部ではVisualStudioやLTSpiceなどWindowsでしか動作しないあるいは推奨されるソフトウェアを要求されます。その際はWindowsを選ぶほかありません。
WindowsにはHomeとProのエディションがあるのですがHyper-VやWindowsリモートデスクトップを使わない限りHomeで十分です。
3-4年程度の運用期間
一般的にノートパソコンの寿命は3-4年とされています。それを超えると大体バッテリーが劣化してしまいます。またメーカーからの保証サービスも3-4年程度がほとんどです。つまり入学のタイミングで新品を購入すれば問題ないわけです。
4.基本性能まとめ
今までの項目をまとめると以下のようになります。
CPU: 1-2年以内に発売されたノート用Intel Corei5程度の性能,TDP15W程度
GPU: CPU内蔵モデル
メモリ: 16GB
ストレージ: SSD 500GB,NVMe接続
キーボード: 日本語配列,バックライト付き,Ctrlなどが押しやすい位置にあるもの
モニター: FHD(1980×1080)程度,IPS液晶
入出力端子: USB-A x2, USB-C x1, HDMI x1
サイズ: 13-14インチ
重量: 1.5Kg以下
OS: Windows11 Home
5.会社別推奨PCブランド
ここでは前章での項目をもとに条件に近いブランドをピックアップしてみました。各社のサイトを覗いて自分でこれだというものを選んでみてください。
Microsoft Surface
いわずとしれたWindowsの会社、Microsoft。その一般向けパソコンがSurfaceです。キーボードが外れる2 in 1というPC形態で有名ですが普通のモデルもあります。タッチパネルがほとんどのモデルに搭載されているのでペンでの作業に向いてます。
DELL Inspiron
海外の有名なPCメーカーです。ゲーマーの方にはAilenwareのほうがなじみがあるかもしれません。比較的癖のない設計で無難な製品が多いです。一方旗艦ブランドのXPSではUSB-Cのみの搭載など思い切った設計も見受けられます。
HP
こちらも海外の有名なPCメーカーです。他社とは異なり普及帯のパソコンブランド名がありません。有名どころなだけあって設計は比較的無難なのですがキーボードが少々変則的な配置をしているので注意が必要です。
Lenovo ThinkPad
IBMのPC事業を取り込んで大きくなった会社です。黒い弁当箱でおなじみのThinkPadを作っています。業務用のため信頼性、整備性が重視されています。そのためか下位ブランドであるThinkBookやIdeaPadでもその傾向があります。
Panasoinc Let’s Note
銀色のボディに丸いトラックパッドでおなじみのLet’s Noteです。ThinkPadと同様に業務用のパソコンで軽量ですが頑丈さを維持するため少々分厚く、整備性は悪いです。また半角/全角キーが変則的な配列になっています。
追記: 23年度から今までのFujitu Lifebookに代わり宇都宮大学の生協PCになっている様です。
NEC LAVIE
NECのノートパソコンは15インチサイズがほとんどで13インチサイズはなんと1機種しかありません。それも上位機種なので高額になります。しかしキーボードの質感には定評があります。
Dynabook
もともと東芝のブランドだったDynabookですが、今はシャープの完全子会社になりました。デザインは可もなく不可もなくといったところです。
Fujitu LifeBook
官公庁むけPCでお馴染みの富士通です。宇都宮大学の生協で選択できるPCもLifeBookです。デザインは普通ですが少々割高です。
MOUSE
一時期積極的にCMをしていたマウスコンピューターです。この会社はBTOメーカーなのでカスタムが豊富です。デザインはカラフルなものが多いです。
DOSPARA
ゲーミングPCのガレリアでおなじみの会社です。こちらもBTOメーカーですがカスタムはほとんどできないです。また一般向けの機種はほとんど選択肢がありません。
Apple MacBook (番外編)
説明不要の有名企業の看板製品です。一度は憧れを持つパソコンでしょう。歴史的な観点から理系でも一度は試してみるパソコンだと思います。実際工学部でも使用している先生方は結構います。ただ初めの一台としては先述したOSによる互換性の問題と非常に高価な点があるのでお勧めできません。
6.まとめ
ここまでとてつもなく長い記事を読んでいただきありがとうございます。自分も含めサークルの方々がパソコンを選ぶときに失敗したなという経験を集めていったらこんなに長い記事になりました。
昨今ではスマートフォンやタブレットが普及した結果、パソコンは不要なのではないかと言われています。しかしスマートフォンやタブレットはデザインの都合上意図的に機能が制限されているため何かを作る仕事には向かない傾向があります。
大学は何かを成し遂げる場所だと私は考えています。そのためこの記事で何かを成し遂げる相棒を見つけてくれることを切に願います。
ではまた!
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